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子どものころから絵を描くことは好きだったけれど
「食べていけない」とハナから諦めていた34年間。
新卒で食品メーカーに勤め、約10年ほど品質管理業務に従事。周りを見ると、(勿論すべてではないけれど)分析業務が得意な人が多く、それなりに仕事にやりがいを感じているように見えた。それに引き換え自分は何の喜びもなく、仕事への楽しさも見いだせずにいる状況がとても苦しかった。
そんなある日、衝撃のニュースが飛び込んできた。2018年目黒区で起きた虐待事件。その日を境に、今までなんとなく過ごしていた日々に焦りを感じるようになった。私には2人の子どもがいて、上の子は亡くなった女の子と同じ年齢。痛ましい内容に吐き気がすると共に、心のどこかで「この両親と私は同じなのではないか」と思う自分もいた。
自分で選択して、自分の責任で生きることから逃げ続けて、なにも挑戦してこなかった自分の姿が浮き彫りになった。このままでは自分の鬱憤のはけ口が子どもに向いてしまうのではないかと怖くなった。
その時点で34歳。美大も行ってない。なんなら絵もあまり描いてこなかったけれど、子どものころからずっと心の奥にしまっていた「絵を仕事にしてみたい」という想いだけを握りしめて、「イラストレーターになる」と家族に宣言した。
まずは、職場の同僚の似顔絵をプレゼントするところからスタートして。同僚から
「地元のマルシェに出て似顔絵屋さんやってみたら」と言われて、マルシェに出店。
個人の方の似顔絵受注を中心に副業としてスタートするも、思い描くプロのスキルに到底追いつかないなと感じ、
地元で活躍されているイラストレーターを訪問し、プロとしての基準値を沢山教授頂き、スキルアップの為デザイン業に転職。デザインについての修業をしながら、地元の子ども食堂のレポート漫画に抜擢。その漫画をSNSにアップしていたところ、出版社や、制作会社からの仕事を頂けるようになり、2019年にフリーのイラストレーターとして独立した。